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国民年金の学生免除は後で納めたほうが良い?【愛知のファイナンシャルプランナーがお伝えするお金の話】

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国民年金の学生免除は後で納めたほうが良い?【愛知のファイナンシャルプランナーがお伝えするお金の話】

国民年金の学生免除は後で納めたほうが良い?【愛知のファイナンシャルプランナーがお伝えするお金の話】

2021/09/09

愛知を中心に東海地区で活動しているファイナンシャルプランナーの前田です。

緊急事態宣言が延長される見込みになってきました。

最近ではコロナ感染者が近いところでも出てきているので、生活を気を付けないといけないところです。

 

先日、お客様からこんなご質問頂きました。

「国民年金の学生免除を受けていた分は後で支払ったほうが良いのでしょうか?」

 

同じような疑問を持つ方もいらっしゃると思いますので、本日はこのことについてお伝えしてみます。

 

〇国民年金の学生免除とは?

日本国内に住む20歳以上のすべての人は国民年金の被保険者となり、国民年金保険料の納付が義務付けられています。

しかし学生は収入が無かったり、あってもごくわずかのため、申請をすることで在学中の間は保険料納付を猶予される制度です。

申請方法も市役所や近くの年金事務所、大学が代行してくれたりもして、使いやすい制度です。

 

〇学生免除をした期間で将来の年金額は変化する?

国民年金保険料の学生免除により、保険料が免除される訳ですが、将来の年金額は実際に納めている人とは変わります。

年金制度のややこしいことは年金を受け取る権利を得ることと年金額の計算は別だということです。

 

老齢年金を受け取るには10年(120か月)以上の納付が必要になります。

学生免除はこの老齢年金を受け取るための120か月には含めてくれることになりますが、将来の年金額に反映されません。

 

現在基礎年金額は40年(480か月)フルで支払った満額が年780,900円です。

仮に2年間(24か月)学生免除を受けていたとすると24か月分が案分され少なくなる計算をします。

 

〈計算方法〉

780,900円×(456か月/480か月)=741,855円

満額との差額39,045円となります。

 

24か月分納めた月数が少ないことで39,045円少なくなることをどう感じるかということです。

損得で計算しづらいことですが、計算してみます。

 

令和3年度の国民年金保険料は16,610円です。

学生免除の期間24カ月を後納したとして16,610円×24か月=398,640円となります。

 

65歳以降何年で元が取れるかというと、398,640円÷39,045円=10.2年

10年少し生きれば払った分が元が取れる計算になります。

 

現在の平均寿命を考えれば年金受取期間が20年ぐらいになることも十分考えられるため、後納したほうがメリットが出そうです。

また後納をした年の所得控除対象として支払った分が丸々となることも大きいでしょう。

所得控除になればその年の所得税、翌年の住民税が軽減されます。

 

年金は将来の物価上昇などにより、受け取る金額が変わります。

インフレが長期で考えれば起こることを考えると、更に今のうちに後納しておいたほうが良さそうな気がしますね。

 

一方でこんな意見もあります。

「後納する分のお金を運用に回せばよいのではないか?」

約40万円のお金を長期投資すれば2倍、3倍となるので、そちらの方が得ではないかという考え方ですね。

運用なので確実ではありませんが、長期投資で株式中心でやっておけば5%強のリターンは見込めるかもしれません。

それはそれで戦略としては間違っていないと私も思います。

 

〇いつまで追納することができる?

経済的に余裕が出来てきた35歳など、いつまでも追納ができるものではありません。追納が出来る期間は10年以内になります。

22歳で大学卒業と考えると、32歳までが1つの目安となります。追納するのであれば10年以内というのを覚えておきましょう。

 

〇追納するタイミングも逃してしまったら?

学生免除の追納を逃してしまったら、国民年金を満額受け取ることが出来ないのか?

40年(480か月)にするためには60歳以降にあります。

60歳も会社員として厚生年金を納めることも出来ます。また働いていなかったとしても不足分を60歳から65歳の間で納めることで補うやり方もあります。

 

これからは定年も65歳に変わってきている会社もあります。65歳まで働くつもりでいるのであれば、学生免除で納めることが出来なかった保険料を補うことができます。

 

私の考え方は学生免除受けていた時から10年以内であるならば、追納で納めるのも1つの方法だと思います。

運用に自信があるのであれば納めずに資産運用に回してください。

 

それでも長く働くつもりでいるならば、60歳以降で補うことも出来る。

やり方、方法、選択肢を理解した中でご自身に合う手段をとれば良いと思っています。

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