令和4年度税制改正での主な見直し内容について【愛知のファイナンシャルプランナーがお伝えするお金の話】
2022/06/28
令和4年度税制改正では、大きな焦点となっていた相続税・贈与税一体化の議論が先送りされ、全体的に小幅な改正内容となっています。
それでも住宅ローン控除や賃上げ税制など、比較的身近な分野の見直しも行われているため、主な内容を確認しましょう。
●住宅ローン控除の控除率と所得要件が引き下げられる
まず個人所得に関する課税では、住宅ローン控除制度の見直しが行われました。
住宅ローン控除の適用期限が4年延長(令和7年12月までに入居した者が対象)されたほか、省エネ性能等の高い認定住宅等は新築住宅等・既存住宅ともに、借入限度額が上乗せとなっています。
一方で控除率は1% → 0.7%、適用対象者の所得要件は合計所得金額3,000万円以下 → 2,000万円以下と、それぞれ引き下げられました。
資産課税では「住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置」が見直され、非課税限度額を最大1000万円とした上で、適用期限が2年延長(令和5年12月までの贈与が対象)されました。
また受贈者の年齢要件が20歳 → 18歳に引き下げられた(令和4年4月以後)ほか、既存住宅の築年数要件が撤廃され、措置の対象が「昭和57年以降に建築された住宅 または耐震基準に適合していることが証明された住宅」に変更となっています。
●賃上げ税制の控除率は大胆に引き上げ
法人課税では、賃上げ税制(積極的な賃上げ等を促すための措置)が拡充されました。
大企業等においては、継続雇用者の給与総額を一定割合以上増加させるなどの要件を満たせば、雇用者全体の給与総額の対前年度増加額の最大30%が税額控除できます。
ただし一定規模以上の大企業は、マルチステークホルダー(従業員や取引先など)に配慮した経営への取組みを宣言していることも適用要件に加えられました。
同様に中小企業が、雇用者全体の給与総額を一定割合以上増加させるなどの要件を満たした場合、最大40%の税額控除が可能です。
改正前の賃上げ税制は大企業等で最大20%、中小企業で最大25%の控除率だったことから、大胆な引き上げが行われたと言えるでしょう。
そのほか令和4年度税制改正において、以下のような項目が挙げられています。
・登録免許税におけるキャッシュレス納付制度の創設
・土地に係る固定資産税等の負担調整措置
・記帳義務を適正に履行しない納税者等への対応策
・財産債務調書制度の見直し
・地方税務手続きのデジタル化
それぞれの詳しい要件等はここでは割愛しますが、どのような見直しが行われているか把握しておけば、納税や手続きの負担減につながるかもしれません。
ご自身に関係のありそうな内容は、財務省のパンフレット等で確認することをおすすめします。
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