75歳以上の医療費負担が段階的に2割負担へ【愛知のファイナンシャルプランナーがお伝えするお金の話】
2021/04/22
愛知を中心に東海地域で活動いている、ファイナンシャルプランナーの前田です。
本日は「高齢者の医療費負担」についてお伝えします。
政府は75歳以上の人(後期高齢者)が医療機関を受診した際に支払う窓口負担割合を所得により1割から2割へ引き上げる方針で、
2月の閣議決定されました。
(75歳以上の窓口負担割合)
年収200万円(320万円)以下 | 年収200万円(320万円)~年収383万円(520万円) | 年収383万円(520万円)超 | |
---|---|---|---|
75歳以上 | 1割 | 1割⇒ | 3割 |
※カッコは複数の世帯の場合
年収200万円以下の単身世帯では引き続き、1割負担のままになります。
年収200万円を超える世帯からは1割負担から2割負担へと変わります。
元々現役並みの所得を表す年収383万円超に関しては3割負担のままです。
今回の焦点になっていたのが、年収200万円以下にするのか、年収170万円程度にするのか、
この所得制限の金額でした。
政府としては年収制限をなるべく低くしたい意向がありましたが、それだけ多くの人に影響が及ぶことになり、選挙に影響が出るのではないかということもありました。
年収200万円を単純に月にすると、16.6万円になります。
厚生年金と国民年金の両方を受け取っている男性の75歳以上ならあり得そうですね。
2割負担の施行時期は2022年後半からということなので、あと1年少しは猶予があります。
政府としてはいきなり負担が大幅に上がってもいけないので、今回は緩和策が用意されました。
1人あたりの医療費は窓口負担の外来の場合4.7万円から7.7万円に増加すると試算されます。
2割負担で影響が大きい外来患者には施行後3年間は1カ月の負担増を3,000円以内に収めるということです。
今回の引き上げは2025年問題と言われている団塊の世代が後期高齢者になる中、現役世代の保険料負担を抑えることが目的です。
現役世代の保険料の一部は後期高齢者医療制度に仕送りされています。
我々現役世代の保険料が増加し続けると生活が苦しくなることになります。
社会保険制度は相互扶助になるため、みんなで助け合うということですが、人口構造の変化などで歪みが生じるようになっています。
将来私たち現役世代もお世話になることになるので、なるべく助けてあげたいことですが、
丁度よいところを探すのは難しいことですね。
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