大雨での被害が出ていますが、保険でどこまで補償できる?【愛知のファイナンシャルプランナーがお伝えするお金の話】
2021/08/19
最近では毎年のように大雨での被害が出ていますね。
今年も記録的な大雨により広範囲で影響があります。
高校野球は連日、雨により順延しており日程を消化することが出来るのか心配されています。
ただでさえコロナで緊急事態宣言が発令され窮屈な生活をしているのに、重ねて大変な日々ですね。
本日はこれまでも何回かお伝えしてきましたが、大雨による被害と保険についてお伝えします。
・火災保険での補償範囲
真っ先に大雨での被害が出てくるのが、住宅です。
住宅の補償は火災保険でカバーします。
火災保険という名前ですが、火災だけではなくあらゆる自然災害をカバーしています。
大雨での災害は「水災」になります。
水災補償はどのような時にカバーするのかというと、
大雨による床上浸水や土砂崩れです。
かといって何でも補償されるという訳ではありませんので、どれぐらいの被害の場合補償対象になるのか確認しましょう。
【保険金をお支払いする場合】
①床上浸水または地盤面より45cmを超える浸水を被った結果、損害が生じた
②再調達価格の30%以上の損害の発生
大雨が降ったとしても45cmを超える浸水が無ければ、保険金支払いの条件に合致してこないということです。
45cmは成人男性のひざ丈ぐらいです。
今回の大雨でテレビの映像を確認するところではひざ丈以上の水位が確認できますが、テレビで取り上げられていない場所では該当するのか、確認が必要になりそうです。②の再調達価格とは新品をもう一度購入した時の価格という意味です。住宅価格が2000万円の場合、30%は600万円以上の被害が出た場合保険金の支払い対象となることになります。
また保険加入において建物と家財の補償を選択することができますが、建物部分しか補償をつけていない場合は、家財は補償対象外になります。
家財とは家電製品、家具が代表的ですが、洋服、靴などあらゆる物をカバーしますので、いざというときにお困りになるかもしれません。
・共済の場合はどうなるのか?
共済保険の場合は被害額の満額まで支払いが出来ない可能性があります。
台風、竜巻のような風災や今回のような水害などの自然災害は支払い限度額が低く設定されています。
オプションなどを付帯していない場合は600万円が限度となっていることがほとんどです。
大きな災害の場合は困るかもしれません。
・自動車の補償
住宅が水に浸かる、土砂災害に合うということはマイカーも同様に被害にあっています。
自動車の補償は火災保険ではなく、任意の自動車保険で補償することになります。
自動車保険の車両保険で補償することになります。
車両保険に加入していない、自動車保険では補償対象になりません。
また車両保険ではエコノミーと一般という補償範囲を選択することができます。
この違いは自損事故もカバーするのが一般で単独での事故は補償しないのがエコノミーになります。
大雨での水害補償はエコノミーを選択した方でも補償されますので、ご安心ください。
ただ自動車保険で気になるのは保険を利用した場合の等級ダウンです。
通常の事故では3等級ダウンして保険利用後3年間は保険料が割高になりますが、水害での保険利用は等級ダウンは1になります。
下がることは下がりますが、1年間のみ割高な保険料で済むというのは嬉しいことです。
かつて私のお客様でも台風での被害があり、保険を利用しましたが被害額は100万円近くありました。
1等級ダウンで済み、それだけの保険金が給付されたということで喜んで頂けました。
※地震や津波での補償は別途特約が必要になりますので、ご注意ください。
保険金の支払いについても以前よりは断然に早くなってきています。
被害者保護のため、ドローンで確認したり、衛星写真で確認したりと保険会社の判断もデジタル化してきています。
被害にあわないようにすることが一番ですが、それでも毎年のようにやってくる災害を無視することは出来ません。
万が一の時、本当に困った時に助けてくれるのが保険ですので、明日は我が身だと思い内容の確認をしてみましょう。
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